Ryzen AI 9 HX470搭載PCを比較レビュー!性能・ベンチマーク・選び方完全ガイド
Ryzen AI 9 HX 470搭載PCは、単なる「高性能ミニPC」ではありません。CPU性能だけでなく、Radeon 890M内蔵GPU、AI処理を担うNPU、さらにUSB4やOCuLinkなどの拡張性まで含めると、ビジネス、クリエイティブ、ゲーム、ローカルAIまで幅広い用途に対応できるのが大きな魅力です。
GMKtecでは、Ryzen AI 9 HX 370を搭載した「EVO-X1」と、新しいRyzen AI 9 HX 470を搭載した「EVO-X1 Pro」をラインアップしています。
本記事では、Ryzen AI 9 HX 470の特徴から、HX 370との違い、CPU・GPU・AI性能、ゲームやクリエイティブ用途での使い方まで詳しく解説します。
「HX 370でも十分なのか」「HX 470にアップグレードする価値はあるのか」と迷っている方も、ぜひ参考にしてください。
Ryzen AI 9 HX 470とは?まず押さえたい特徴
Ryzen AI 9 HX 470は、AMDの高性能AI PC向けプロセッサーです。
12コア24スレッドのCPUを搭載し、最大5.2GHzの高いクロック性能に加え、Radeon 890M内蔵GPUとAMD XDNA 2 NPUを組み合わせています。
特に注目したいのが、CPU・GPU・NPUを1つのチップに統合している点です。
一般的なオフィス作業だけでなく、動画編集、画像処理、ゲーム、AIアプリケーション、ローカルAIなど、複数の用途を1台でこなしたいユーザーに適しています。
Ryzen AI 9 HX 470の主な特徴
| 項目 | Ryzen AI 9 HX 470 |
|---|---|
| CPU | 12コア / 24スレッド |
| 最大クロック | 最大5.2GHz |
| 内蔵GPU | AMD Radeon 890M |
| GPUコア | 16CU |
| NPU | AMD XDNA 2 |
| NPU性能 | 最大55 TOPS |
| 主な用途 | ビジネス、クリエイティブ、AI、ゲーム |
高性能なCPUだけでなく、強力な内蔵GPUとNPUを備えているため、「外部GPUなしでも幅広い用途に対応できる高性能PC」を探している人にとって魅力的な選択肢です。
Ryzen AI 9 HX 470とHX 370の違い
Ryzen AI 9 HX 470を検討している人にとって、もっとも比較対象になりやすいのがRyzen AI 9 HX 370です。
両者とも12コア24スレッドのCPUとRadeon 890Mを搭載していますが、HX 470ではCPUクロックとNPU性能がさらに強化されています。
| 比較項目 | Ryzen AI 9 HX 470 | Ryzen AI 9 HX 370 |
|---|---|---|
| CPU | 12コア / 24スレッド | 12コア / 24スレッド |
| 最大クロック | 最大5.2GHz | 最大5.1GHz |
| 内蔵GPU | Radeon 890M | Radeon 890M |
| NPU | XDNA 2 | XDNA 2 |
| NPU性能 | 最大55 TOPS | 最大50 TOPS |
| 世代 | Ryzen AI 400シリーズ | Ryzen AI 300シリーズ |
日常的なWebブラウジングやOffice作業だけであれば、HX 370でも十分高い性能を備えています。
一方で、高負荷なマルチタスク、動画編集、AI処理などを頻繁に行う場合や、より新しい世代のCPUを長く使いたい場合は、HX 470が有力な選択肢になります。
GMKtec EVO-X1とEVO-X1 Proで比較
GMKtecでは、それぞれのCPUを搭載したミニPCを展開しています。
EVO-X1はRyzen AI 9 HX 370を搭載し、高性能と価格のバランスを重視したモデルです。
一方、EVO-X1 ProはRyzen AI 9 HX 470を採用し、CPUクロックとNPU性能をさらに強化しています。
| モデル | EVO-X1 | EVO-X1 Pro |
|---|---|---|
| CPU | Ryzen AI 9 HX 370 | Ryzen AI 9 HX 470 |
| CPUコア / スレッド | 12C / 24T | 12C / 24T |
| NPU | 最大50 TOPS | 最大55 TOPS |
| GPU | Radeon 890M | Radeon 890M |
| おすすめ | コスパと性能のバランス重視 | 最新性能・AI処理重視 |
価格と性能のバランスを重視するならEVO-X1、より新しいCPUとAI性能を重視するならEVO-X1 Proという選び方が分かりやすいでしょう。

GMKtec EVO-X1
- 12コア24スレッド
- Radeon 890M 内蔵GPU
- NPU 最大50 TOPS
- 仕事・クリエイティブ・AI用途に対応
- 性能と価格のバランスを重視する方におすすめ

GMKtec EVO-X1 Pro
- 12コア24スレッド / 最大5.2GHz
- Radeon 890M 内蔵GPU
- NPU 最大55 TOPS
- USB4・OCuLink・2.5GbE対応
- より高い性能と拡張性を求める方におすすめ
Geekbench 6で見るCPU性能
CPU性能を比較する代表的なベンチマークのひとつがGeekbench 6です。
Geekbench 6では、「シングルコア」と「マルチコア」の2つのスコアを確認できます。
シングルコア性能は、1つのCPUコアを使った処理能力を示します。
Webブラウジング、Office、ソフトウェアの起動、日常的な操作レスポンスなどに影響しやすい指標です。
一方、マルチコア性能は複数のCPUコアを同時に使用した場合の処理能力を示します。
動画エンコード、レンダリング、圧縮・解凍、複数アプリの同時実行などでは、マルチコア性能が重要になります。
Ryzen AI 9 HX 470は12コア24スレッドを備えているため、日常的な操作だけでなく、高負荷なマルチタスクにも向いています。
Cinebenchで見るCPU性能
Cinebenchは、CPUのレンダリング性能を確認する定番ベンチマークです。
短時間のピーク性能だけでなく、CPUを長時間高負荷状態で動作させた際の性能を見るうえでも参考になります。
特にミニPCでは、CPUそのものの性能だけではなく、本体の冷却設計や電力設定によって実際のパフォーマンスが変わります。
そのため、CPU型番だけを見るのではなく、実際にどの程度の性能を継続して発揮できるかも重要です。
HX 470のような高性能CPUを搭載したミニPCでは、動画編集や3Dレンダリング、複数アプリを同時に使うようなシーンでマルチコア性能の高さを活かせます。
Radeon 890Mのグラフィック性能
Ryzen AI 9 HX 470には、AMD Radeon 890Mが内蔵されています。
Radeon 890Mは16CUを備えた高性能な内蔵GPUで、一般的なオフィス向けCPUに搭載される内蔵グラフィックスと比べて、より幅広い用途に対応できます。
例えば以下のような用途です。
-
4K・8K映像出力
-
動画再生
-
写真・画像編集
-
動画編集
-
軽量な3D作業
-
フルHDゲーム
-
AI関連アプリケーション
外部GPUを搭載しなくても一定レベルのグラフィックス性能を確保できるため、省スペースなミニPCとの相性が非常に良いGPUです。
Ryzen AI 9 HX 470はゲームにも使える?
Ryzen AI 9 HX 470搭載PCは、ゲーム専用PCではありませんが、Radeon 890Mを搭載しているため、軽量ゲームやeスポーツタイトルを中心に幅広く対応できます。
フルHD解像度で画質設定を調整すれば、多くのタイトルを楽しむことができます。
| ゲーム用途 | 適性 |
|---|---|
| 軽量オンラインゲーム | ◎ |
| eスポーツ系タイトル | ◎ |
| RPG | ○ |
| 中量級3Dゲーム | ○ |
| 高画質AAAタイトル | △ |
| 本格的な4Kゲーム | 外部GPU推奨 |
より高いグラフィックス性能が必要になった場合は、OCuLink対応モデルで外部GPUを接続する方法もあります。
OCuLink対応なら外部GPUによる拡張も可能
Ryzen AI 9 HX 470搭載PCを選ぶ際は、CPU性能だけでなく、インターフェースの拡張性にも注目したいところです。
GMKtec EVO-X1 Proは、OCuLinkに対応しています。
OCuLink経由で外付けGPU環境を構築すれば、将来的にグラフィックス性能を大幅に強化することも可能です。
普段はRadeon 890Mで省電力・省スペースに使いながら、ゲームや3D制作など高いGPU性能が必要になった場合だけ外部GPUを追加する、といった使い方ができます。
「今は内蔵GPUで十分だが、将来的に拡張したい」というユーザーにとって、OCuLinkは大きなメリットです。
USB4・2.5GbE・Wi-Fi 7など高い接続性
高性能ミニPCでは、CPU以外のインターフェースも重要です。
GMKtec EVO-X1 Proは、USB4、OCuLink、2.5GbE LAN、Wi-Fi 7など、高速な接続規格に対応しています。
USB4
USB4は、高速SSD、ドッキングステーション、ディスプレイなど、さまざまな周辺機器との接続に利用できます。
ノートPCのようにUSB4ドックを中心としたデスク環境を構築したいユーザーにも便利です。
2.5GbE LAN
2.5GbEは、一般的な1GbEより高速な有線LAN規格です。
NASへの大容量データ転送や、動画素材のバックアップ、社内ネットワークなどで特にメリットがあります。
Wi-Fi 7
対応ルーターと組み合わせることで、高速かつ低遅延なワイヤレス通信環境を構築できます。
有線LANと無線LANの両方を高速化できるため、オフィス用途からホームネットワークまで幅広く対応できます。
デュアル2.5G LANはどんな用途で役立つ?
EVO-X1 Proは2つの2.5GbE LANポートを搭載しています。
一般的なPCではLANポートを1基しか搭載していないことが多いため、デュアルLANは用途によって大きなメリットがあります。
例えば、
-
NASとの高速接続
-
社内ネットワーク
-
サーバー用途
-
ホームラボ
-
仮想環境
-
ネットワーク検証
などです。
高性能CPUとデュアルLANを組み合わせることで、一般的なデスクトップ用途だけではなく、より専門的なネットワーク用途にも対応しやすくなります。
大容量SSDにも対応できるストレージ拡張性
動画編集やゲーム、AI関連用途では、ストレージ容量も重要です。
EVO-X1 ProはM.2 2280 SSDスロットを2基備え、最大16TBまでのストレージ拡張に対応しています。
例えば、
SSD 1:Windows・アプリケーション用
SSD 2:動画・ゲーム・AIモデルなどのデータ用
といった形で分けて使用できます。
ローカルAIではAIモデルだけで数十GBから数百GBのストレージ容量を使用することもあるため、後からSSDを増設できることは大きなメリットです。
Ryzen AI 9 HX 470のNPUは何に使える?
Ryzen AI 9 HX 470には、AMD XDNA 2アーキテクチャを採用したNPUが搭載されています。
NPU性能は最大55 TOPSです。
NPUはAI処理専用のプロセッサーで、CPUやGPUとは別にAIタスクを処理できます。
対応ソフトウェアでは、
-
AIノイズ除去
-
Web会議の背景処理
-
AI画像処理
-
音声処理
-
AIアシスタント
-
一部の生成AI処理
などを効率的に実行できます。
CPU・GPUだけに処理を集中させず、NPUにAI処理を割り当てられることが、AI PCの大きな特徴です。
ローカルAI・LLM用途にも向いている?
生成AIをクラウドだけでなく、自分のPC上で実行する「ローカルAI」への注目も高まっています。
Ryzen AI 9 HX 470搭載PCは、高性能なCPU、Radeon 890M、NPUを備えているため、ローカルAIを試したいユーザーにも適しています。
例えば、
-
ローカルLLM
-
AIチャット
-
画像生成
-
AI画像処理
-
AI開発・検証
などです。
ただし、実際に動かせるAIモデルの規模や速度は、使用するソフトウェア、モデル、メモリ容量などによって大きく変わります。
「NPU 55 TOPSだから、あらゆるLLMが高速に動く」という意味ではない点には注意が必要です。
クリエイティブ用途との相性
HX 470の高いCPU性能は、クリエイティブ用途でもメリットがあります。
動画編集では、素材の読み込み、エフェクト処理、エンコードなど、複数の処理を同時に実行することがあります。
12コア24スレッドのHX 470なら、こうした高負荷な作業にも対応しやすくなります。
また、Radeon 890Mを搭載しているため、GPUアクセラレーションに対応したアプリケーションでも活用できます。
特に、
-
Photoshop
-
Lightroom
-
動画編集
-
RAW現像
-
Web制作
-
プログラミング
-
複数モニターでの作業
などを1台で行いたい人に向いています。
ミニPCなら省スペースで高性能な作業環境を構築できる
HX 470のような高性能CPUをミニPCに搭載するメリットは、省スペース性です。
大型デスクトップPCと比べて机の上を広く使いやすく、モニター裏やデスク周辺にも設置しやすいのが特徴です。
特に、
-
オフィス
-
在宅勤務
-
マルチモニター環境
-
クリエイティブデスク
-
AI開発環境
など、「性能は必要だが大型PCは置きたくない」というユーザーとの相性が良いでしょう。
Ryzen AI 9 HX 470のメリット・デメリット
購入前にメリットと注意点を整理しておきましょう。
| 項目 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| CPU | 12C/24Tの高性能 | ライト用途では性能を持て余す場合あり |
| GPU | Radeon 890M搭載 | AAAゲーム最高設定には外部GPUが必要 |
| AI | NPU最大55 TOPS | 対応ソフトによって活用度が異なる |
| 接続性 | USB4・OCuLinkなど | モデルによって端子構成が異なる |
| ネットワーク | 2.5GbE・Wi-Fi 7 | 対応ネットワーク環境が必要 |
| サイズ | 高性能ながら省スペース | 高負荷時はファンが動作する |
HX 470は「高性能だから全員に必要」というCPUではありません。
一方で、仕事、クリエイティブ、AI、ゲームなど複数の用途を1台にまとめたい場合には、非常にバランスの良い選択肢です。
EVO-X1(HX 370)とEVO-X1 Pro(HX 470)はどちらがおすすめ?
最後に、GMKtec EVO-X1とEVO-X1 Proのどちらを選ぶべきか整理します。
EVO-X1(Ryzen AI 9 HX 370)がおすすめな人
-
高性能AI PCをコストを抑えて導入したい
-
OfficeやWeb作業を快適にしたい
-
写真・動画編集にも使いたい
-
Radeon 890MのGPU性能を活用したい
-
HX 370でも十分な性能があると考えている
-
性能と価格のバランスを重視したい
Ryzen AI 9 HX 370は現在でも非常に高性能なCPUです。
日常的なビジネス用途からクリエイティブ、ゲーム、AI用途まで幅広く対応できるため、価格とのバランスを重視するならEVO-X1は依然として有力な選択肢です。
EVO-X1 Pro(Ryzen AI 9 HX 470)がおすすめな人
-
より新しい世代のCPUを選びたい
-
最大5.2GHzのCPU性能を活かしたい
-
AI処理性能を重視したい
-
高負荷なマルチタスクを頻繁に行う
-
動画編集やクリエイティブ作業に使いたい
-
OCuLinkを利用して将来的に外部GPUを追加したい
-
長期間使える高性能ミニPCを選びたい
EVO-X1 Proは、Ryzen AI 9 HX 470、Radeon 890M、最大55 TOPSのNPUを組み合わせた高性能モデルです。
さらにUSB4、OCuLink、デュアル2.5GbE、Wi-Fi 7、M.2 SSD×2など、高い拡張性も備えています。
現在だけでなく、数年先まで幅広い用途で使えるミニPCを探している方におすすめです。
まとめ:HX 470は性能と拡張性を重視する人におすすめ
Ryzen AI 9 HX 470は、12コア24スレッドCPU、Radeon 890M、最大55 TOPSのNPUを組み合わせた高性能AI PC向けプロセッサーです。
日常的なビジネス用途はもちろん、動画編集、ゲーム、AI処理、ローカルAI、マルチタスクまで幅広く対応できます。
一方で、HX 370も現在なお高い性能を備えており、すべてのユーザーがHX 470を選ぶ必要があるわけではありません。
価格と性能のバランスを重視するならEVO-X1(HX 370)。
より新しいCPU、AI性能、将来性を重視するならEVO-X1 Pro(HX 470)。
自分が実際に使う用途と予算を基準に選ぶことで、より満足度の高いミニPCを選びやすくなるでしょう。